デズモンド・ツツ大主教による声明
2008年3月25日
チベットの歴史のなかでも極めて危機的状況の今、私は、チベットの人々と共にあることを表明します。
私の大切な友人であるダライ・ラマ法王に申し上げます。私はあなたと共にいます。あなたは、非暴力とは、慈悲とは、善良とはどういうことなのか、身をもって示しておいでです。この度のチベットでの悲劇が起こったのは、復活祭の最中のことでした。中国は、あなたが暴力を前導したと述べているそうですね。中国があなたのことを理解していないのは明白ですし、中国はあなたがどういう人物であるかを知るべきなのです。ダライ・ラマ法王が亡命されてからの50年間、世界中の多くの人がダライ・ラマ法王とはいかなる人物であるか知ってきたように、中国政府もダライ・ラマ法王のことを知るように、私は中国政府に求めたいと思います。チベットの僧侶や一般市民にこれ以上暴力を振るわないでほしいというダライ・ラマ法王の嘆願を聞きいれるよう中国政府に求めたいと思います。
私は中国に対し、ダライ・ラマという平和主義者との実質的で意味ある対話に入るよう強く求めます。世界に与える影響という意味で、中国は類のない位置づけに置かれています。中国のリーダーたちがそれを理解していることは間違いありませんし、そうでなければオリンピックの開催国に選ばれることもなかったはずです。殺戮、投獄、拷問はスポーツではありません。無実の人々は釈放され、自由が与えられなければなりませんし、公正な裁判がなされなければならないのです。
私の尊敬する友人である国連人権高等弁務官のルイーズ・アルブール女史に対し、チベットを訪れてくださるよう、そして世界中から正義を叫ぶ声が上がることになった今回の事態を調査し、国際社会のまえに明らかにする道を開いてくださるよう強く求めます。高等弁務官はジャーナリストや監視団とともにチベットに入ることが許されるべきですし、公平な立場から権力者に真実を語ることができるはずです。ですからどうかぞ、この問題を――50年もの苦しみを――平和的解決へと導いてください。そうすることで助かるのはチベットだけではありません。中国を助けることにもなるのです。
そして、北京五輪で世界各国を受け入れることになる中国は、「中国は変わった」「中国は国際社会のパートナーとしての責任をまっとうしようとしている」と世界の目が認めるような状態にもっていく必要があります。最後に申し上げます。中国政府は、生涯を非暴力に捧げてきたノーベル平和賞の受賞者であるダライ・ラマ法王を悪者にして非難するという言葉による虐待をやめなければなりません。
デズモンド・ムピロ・ツツ
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